2015年10月9日金曜日

京都1日目 ソロー&フォークナー学会


昨日金曜はソロー学会では瀧口美佳さんのソローにおける北欧神話、貞廣真紀さんのソローと食の問題についてのご発表を拝聴。

畏友の貞廣さんは理論的な枠組みを導入し、実証的な文化事象の資料をそつなく揃えたうえで、テクスト分析を深める手堅い論調。Cape Codのテクスト、とりわけ、牡蠣でお腹を壊す場面について、外部を取りこむ真珠と結核の身体のソローを比較する手捌きは流石。

フォークナー学会では午前は山根亮一さん、夕方のシンポでは諏訪部浩一さん、畏友の小林久美子さんのご発表を拝聴。衛星学会をハシゴした形だったがこれが功を奏し、濃密な時間であった。久美子さんの発表はもう芸術品の域だ。

平石貴樹先生もご健在であった。平石先生の立教でのフォークナー養成講座には、2000年『響きと怒り』ベンジーセクション、2001年『八月の光』論と二年間だけだが、塚田さんや竹内くんというフォークナリアンとともに、僕は末席の目立たないとこに座して参加させていただいた。

あれから15年、まともにフォークナーは読んでいないのだが、土曜には新田啓子先生のフォークナー論もあることだし、少しずつでも、この大物作家にも背を向けずに取り組みたいと思う。いい研究者がフォークナーへ向かうには訳があるのだし、いい批評がそろっていることも大きい。

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