「環境をアダプトする」というシンポで野田研一先生のご発表を拝聴。アドイツ出身のアメリカの画家ルバート・ビアスタット(Albert Bierstadt, 1830年1月7日 - 1902年2月18日)の風景画Gosnold at Cuttyhunk, 1858の分析は圧巻だった。
そこに描きこまれた鹿は、ほんとうにアメリカの風景なのか・・・そうした問いを実証的かつ文学的に読みこむ分析力は、ますます冴えわたっている。
そこに描きこまれた鹿は、ほんとうにアメリカの風景なのか・・・そうした問いを実証的かつ文学的に読みこむ分析力は、ますます冴えわたっている。
ご講演後、せんえつながら、以下のメールを差し上げたところ、
American Europeの概念の応用可能性は視覚芸術にとどまらず、自然誌のジャンルでもカーライルやフンブルトらのヨーロッパの影 響が強いことはLaura Dassow Wallsらの近年の仕事で強調されています。そう考えますと、 1836年以降のアメリカ文化の独立宣言とされる文藝思潮もまた 、 文化的干渉の観点から捉えなおされるべきであると感じております 。
先生からご丁寧に返信いただいた。
コメント有り難うございました。的確な内容にこちらこそ刺戟を受けます。
とくにフンボルトの重要性は改めて考えるべきことだと感じておりまして、それこそスコットが博論を書いていた時期にフンボルトを盛んに読んでいたこと思い出 します。
風景画にとってもフンボルトは重要です。たとえば、ビアスタットやチャーチ、とくにチャーチは北極圏や南米の風景画に手を出していますが、 あれはフンボルト的なものの風景画バージョンだと思います。この種の研究も確かあったと記憶します。 ソローにおけるworld travelerの問題系とも重なりますね。(世界を旅しなかったwrold travelerとしてのソローと、旅したフンボルトですね。)
懇親会では、来年度のサバティカル中の宿題もいただいた。具体的にはBack to Natureのシュミットの言う"wilderness novel"の概念と具体例の調査, その基底にあるかもしれぬ自然主義とモダニズムの水脈, 視覚芸術で言えばオキーフ研究とモダニズムとの関連,etc.. .。しっかりと形にしていきたいと思う。
波戸岡さんの会場さばきも見事で、あっというまの2時間45分、パネリストの方々に敬意を表します。
0 件のコメント:
コメントを投稿